NHK「坂の上の雲」で使われたトランク

2009年放送の大河ドラマ「坂の上の雲」で主人公が使う大型の棒屋根タイプボストントランクです。
当初、古いトランクの修理という事でお受けしましたが、縫い目が破れたり、革自体が脂分が無くなりボロボロになっていたため、再製には新しい革で作るより倍以上の金額が掛かり不可能ということで、金具類は流用し、同じ形を新しい牛革で作成しました。


金具幅が60cm程ある大型トランクで、風格があります。
放送は2009年秋から13回が2年にわたり放送されるので、ご覧になったら「匠のトランク!」と叫んで下さい。笑

内装に凝ったアタッシュケース

白ヌメ革で作られたMATSUOモデルです。
外観は一番人気の全角に角革をつけたB-TYPEですが、中の仕様が凝ってます。

7月にカタログ請求頂き、11月より何度かメールで相談し、現在お使いの
トランクの仕様に似せて内部の仕切の仕様を考えて生きました。
最後は12月末にわざわざ九州からお越しいただき、ショウルームのサンプルを
ご覧になりながら最終仕様を決定いたしました。

フタを開けた状態。エンジの内装が鮮やかです。革タグは「匠乃固鞄」タグにお名前が入っています。 フタ内部には大中小の3つのポケットをつけ、大中はマチ付き、小はカードや名刺入れのためマチなしです。
本体の内部はどうなっているのでしょう?
この仕切板は本体に縫い付けられていますが、折り畳み出来るようになっています。
左右に走る二本のベルトは、上に乗せた書類を押えるゴムテープです。
仕切板の中には2つの中仕切があり、本体底部とトップ部にベルクロテープ(マジックテープ)で留められておりますので、荷物の大きさで移動出来ます。
出張用の着替えや用具を分けて整理出来ます
分かりにくいかもしれませんが、仕切板を底部(本体背面内側)に収納した状態。上の中仕切は外され、ホックボタンで固定されます
上の仕切板収納状態を横からみるとこんな感じです。

【お便り】
     門田 様
     トランク届きました。
     精度の高い技術に感嘆しました。
     いざ実物を見ますと、若干、幅が大きかったかなと感じましたが、
     「大は小を兼ねる」でその分長い旅行にも活用できるなと思っております。
     今から大事に活用していきたいと思います。白ムクの変化にも期待したいです。
     今回はありがとうございました。

本山での法要のための法衣鞄

総手縫いのトランク完成です。装飾がなくエレガントです。

ホームページをご覧頂き、そのまま徳島より駆けつけて下さいました。
仕様決定する時も再度徳島より駆けつけて下さいました。
「仏事用の衣装と道具がピッタリ入るトランクを」ということで、中型クラシックトランクより小さく、サンプルとなった(サイトには出ていない)アンティークのトランクをベースに仕様いたしました。

サンプルを職人さんに見せたところ「凄く良い仕事しているトランクですね。縫い目が端の方に寄っていてミシンを使えないので総手縫いになります」ということで、吉田様のご許可を頂き(総手縫いなので価格がかなりアップするため)作成いたしました。
サンプルと同じように、ということで皮革は薄手のクロム鞣革を使用しています。
また、内部は木枠ではなくボール芯を使用しているので、大変に軽く仕上がりました。2.7kgです。
因に中型クラシック革トランクは3.7kg(ベルト2本付き)。比べるとその軽さが際だちます。

トランク表面には、把手と錠前、あとは中のベルトを留めている鋲頭だけしか
出てきておりません。
 フタの内部
 ポケットもゴム口のシンプルな物です。フタのストッパーは表と同じ革で作成。
本体内は荷物を押えるベルトのみ。
ベルトに付いているのは把手に付けるネームホルダーです。
総手縫い
アップでお分かりになりますでしょうか?表と裏から一針ひと針丁寧に針が入れ
られます。

【お便り】
     門田 様
     徳島のYです。
     有難うございます。
     メチャ軽いです。笑
     大事に使わせて頂きます。

    【門田より】
     わざわざ2回もご来神いただきありがとうございました。
     シンプル故に気品が漂うトランクが完成し、私も大変嬉しく思っております。
     末永くご愛顧いただけますよう、宜敷くお願い致します。