宮内庁御用職人謹製革鞄、『匠の革トランク』ガルウイング(両開き)アタッシュケース

仕様:
・Type-A 両開き
・本体内部は桐枠
・牛ヌメ革素あげ白ヌメ
・外側縫い糸は同系色
・真鍮色金具
・内寸は400W-280T-120
・ドイツ製プッシュ鍵
・着脱式ショルダーベルト
・底鋲
内部の仕様:
・エンジ色綿生地
・フタ内側ポケット
・仕切板:
・着脱式荷物ベルト
・内側にヌメ革/焼き印にて
 タグ付け
最初のお便りは2013年10月2日に届きました。

匠乃固鞄 門田様

お世話になります。
アタッシュケースA-type(450-350120)で白ヌメ革、ショルダーストラップ、ポケットは基本型、金芯把手B、ストッパーB、内部に着脱式ベルト、ショルダーストラップの仕様での購入をイメージしています。大凡の見積りは頂けますでしょうか?

内装に関しての本心はMATSUO MODELの様なスタイルに憧れがあります。もしもこの内装仕様にした場合の見積りも頂ければ幸いです。

尚、ショルダーストラップは二種ありますが、写真がありましたら拝見したいです。手前の希望のみ書いてしまい、失礼な事とは思いますが、ご回答の程御願い申し上げます。

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それから2通のメールで、大きくデザイン変更がありました。

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昨日、お返事を頂いてから随分と悩んでおります。

大きく仕様を変更することも視野に何点か相談をさせて下さい。

ガルウィングタイプについて
パラパラカタログにあるCHIBA MODELの様なガルウィングにすると加算価格は如何程ですか?

ガルウィングが実現したとして・・・
片側は30度開閉にし、ストッパーCを深くしたようなサイドカバーを両サイドに付けて、横から落ちない様にしたいです。奥行は収納したい手帳に合わせ40mm。こちら側全体が大きなポケットになりますので内部にポケットは設置しません。

反対側は30度と90度の2段式開閉、ご紹介頂いたストッパーAの様な金属タイプを考えていますが、これは鞄を縦にすると30度、寝かせると90度開きになるものですか?(ネットで2段式ステイという名でそのような品を見ました。)

蓋側には基本形のポケットを設置、モバイルPCを収納します。飛び出し防止に中央に一本留め具が欲しいです。ポケットの幅は350mmでお願いします。

蓋と反対側の内部に脱着式のベルトを付けます。主に出張先での一泊分の着替えを固定します。
内部色はエンジ、革製ショルダーストラップ、把手仕様はそのままでお願いします。

ところでガルウィングタイプにすると少なからず内部の固定板の分、奥行が狭くなると思います。
現在奥行100mmを考えていますが、120mmにしてはどうかと悩んでおります。
その分、高さを300mmから280mmに下げた場合、外観のバランスは変ではないでしょうか?
アドバイス頂ければ幸いです。

またドイツ製の錠ですが、ベロの様な取手が有る写真と無い写真があります。
これはどのような形状をしているのでしょうか?
できれば見えない(無い)様にしたいです。
お教え下さい。

シンプルな外観

 もともとType-Aは、ボタンの頭だけが表に出るドイツ製のプッシュ式錠前を使い、出来るだけシンプルな外観を考えてデザインされた物でした。

 今回の仕様はType-Aを基本として、ガルウイング(両開き)タイプにするため片側に錠前2つ、もう片側には錠前1つ付けられ、それにショルダーストラップ取付用の金具を革フラップで隠しています。
 錠前の数が違うのは、どちらの面か分かりやすくするためと、よく開閉されるポケットになる方は、片手で簡単に開けやすいように錠前1つ、PCなど何かの拍子に急に蓋が開いて落ちたら困る物は錠前2つの方と分けるためです。

 外装の皮革は、牛ヌメ革の素上げ生成り色という全く着色をしていない、皮革の表情が一番分かりやすい物で、出来上がったときは赤ちゃんの肌のような繊細な美しさがあり、また、日焼けや水シミ、手の脂による変色で、使い始めたときからどんどんエイジングが進んでいく皮革です。
 5年、10年と経てば、かなり色も濃くなり、30年もすれば飴色に近い濃さまで成長していきます。

エンジ色の内装と記念の革タグ


 内装生地は、エンジ色の生地を使っています。
本体内には取り外し出来るベルトと、出張時に中へ入れる日用品などを隠す中仕切板がつけられています。
 ポケットの内側にはノートPCを収納するためのポケットがつき、飛び出さないようホック付ベルトがつけられています。

二段階ストッパー付金具


 両脇につけられたフタを留める金具は、30度と90度強で二段階に留まるストッパーで、把手が上にある(持っている状態)ときは、30度で止まりますので、誤って開いたとしても中身がこぼれ落ちることはありません。

焼印入り革タグ

「尚、タグの件ですが私の座右の銘を入れて頂くことは可能でしょうか。
『The greatest pleasure in life is doing what people say you cannot do.』です。
 その下に名前『M.Hayashi』と『製造年月日』」

 ご希望通りの文字が焼印で入れられました。
何十年と経つごとに、段々と文字の色が濃くなり鮮明になってくることでしょう。

ポケット

 もう片面は、30度の開度で留まるように、また、中の物がこぼれないように内装と同じ生地で作られた
フタ留めがついています。このフタ留めは、ホックボタンで取り外しが出来るようになっています。

無事納品

お世話になります。HAYASHIです。鞄は本日到着しました。

納品日を早めて頂き、本当にありがとうございました。
幼い頃の誕生日とクリスマスのプレゼントを同時に貰った時のような昂揚感に今、包まれています。
(今回は自分で買ったものではありますが・・・)

実は先程帰宅しまして、まだ開封しておりません。
ゆっくりとこれから開けたいと思います。

まだ年内の仕事もありますので、使用した感想は年中に追ってご連絡致します。

まずは謝意をお伝え致したく、ご連絡致しました。
本当にありがとうございました。

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 2013年12月24日、無事にクリスマスに間に合いました。
今回は10月2日のお問合せから、仕様の決定と本受注が10月15日。

通常は本受注後約90日とお伝えしているところ、途中の作業がはかどり職人さんより「年内に仕上げられる」との連絡が入りました。では、なんとかクリスマスに間に合わせられないかと段取りをしていただき、無事にクリスマスイブにお届けすることが出来ました。

 では、末永くご愛顧のほど、宜しくお願いいたします。

2013年12月
匠乃固鞄  門田 真