宮内庁御用職人謹製革鞄、『匠の革トランク』クーズー革のダブルオープントランク

仕様:
サイズ外寸(内寸)
中折れトランクに準ず
横:475mm(455)
高:345mm(330)
幅:190mm(170)
+約35(30)mm
幅は内寸30mm分のフタ
外ポケット構造による余裕
を含む
本体:クーズー支給革
パーツ:真鍮
亜鉛金メッキ金具
    獅子バックル
内部:コットンツイル
グリーン生地貼り
ポケット/フタ内側ゴム口、
本体両サイドゴム口
ポケット
荷物押さえベルト付き

付属:獅子バックル/マグ
ネット付バックル
本体正面から向かって左側面に伸縮把手/対面に底鋲
ネームホルダー
こちらも構想からお届けまでに一年以上を費やした渾身のモデルです。

2012年末、京都の代理店クエルクス無二店より「これまでにない変わったトランクを作りたい方がおられる」という連絡をいただきました。
変わったと言っても、形が変わっているのか、素材が変わっているのか、それをトランクとしてどのように作り上げるのか、やり取りを続け、「昔のトランクで使われていたような、ひだの大きいクロコダイル」・・・これはワシントン条約で、クロコダイルは養殖の物しか手に入らないので難しい。

形は、蛇腹タイプにするとか、キャリーを取付けるとか、外側にベルトは付けないなど色々な意見のやりとりがあり、工場とも相談しながら2013年2月に、蛇腹タイプをベースにして使用する皮革はクーズーというアフリカに住む野生の鹿革を使うということで最初の仕様書が作られました。

それからも2度3度と仕様の変更を重ね、クーズーに合わせて同じアフリカの草原に住むライオンの顔のオブジェを付けることが決まり、そこからライオンの顔を作ってくれる業者を捜して交渉を重ね、最終の仕様書がまとまったのが2013年11月でした。

完成したのがこちらのモデルです。

ダブルオープンのフタ部分〜1

 ベースのモデルは蛇腹(中折れ)タイプでしたので、本体側はボール芯にクーズーの革巻きです。
把手は縦横の二方向に取付けられ、それぞれ対面には底鋲がつきます。

一番の特徴は、フタが二重にオープンするようになっている部分。このため、フタの内側は木枠で製作してあります。第一のフタは、30度の角度で開くポケットとなっており、ライオンの顔の裏にマグネットホックが付いていてこれで留められます。

ダブルオープンのフタ部分〜2


 内装生地は、濃いグリーンの生地です。
クーズーの革、ライオンの顔、草原の緑ということで、アフリカ大陸の冒険をイメージして作られたトランクになりました。

第二のフタを開くと本体側のメイン収納部分があらわれます。

メイン収納内部


 内部はいたってシンプル。
荷物押さえのためのベルトが二本、両サイドとフタの内側にゴム口のポケットがあります。

中に入れてあるのは、オーナー様の名前をロゴで焼印したネームタグとキークロシェット(鍵ケース)。

ブロンズに輝くライオンの顔

 オリジナルで製作されたライオンの顔のパーツです。睨みを利かしています。

無事納品

 2014年2月、無事に完成して納品いたしました。

「革は出来るだけアットランダムに色が出るように」とか、なかなか普通には見かけないような鞄をお望みでしたので、楽しくやらせていただきました。

Youtubeでも鞄の様子をご覧いただけますので、良ければこちらもご覧下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=xmFXv5drXvw

2014年2月
匠乃固鞄  門田 真